環状RNAに着目した消化器がんにおける新規バイオマーカーの探索

1. 目的と意義

 癌診療の現場において、既存の腫瘍マーカーの診断能は非常に低く、癌の存在診断には不十分である。また、新規治療薬の対象者を適切に選択するためのバイオマーカーの開発はいまだ進んでいない。高感度で特異性の高いバイオマーカーを開発することは喫緊の課題である。

 大阪大学消化器外科では、non coding RNAの一つであるcircular RNA(以下circRNA)に注目した研究を行っている。バイオマーカーとしての意義を確立するために重要な点は、がんを発症していない被験者(健常者あるいはがん以外の慢性疾患の患者)との比較であるが、大阪大学医学部附属病院消化器外科にはこれらの対象者のサンプルは乏しく、キャンパスライフ健康支援・相談センター(以下、HaCC)との共同研究が発案された。HaCCには、職員健診の余剰サンプルが保存されており、健常者のサンプルが豊富にある。

2. 研究代表者・所属・身分

(HaCCにおける)長友泉・大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センター保健管理部門・教授
(研究全体における)土岐 祐一郎・大阪大学医学部附属病院消化器外科・教授

3. 研究対象者

 2010年4月以降の、大阪大学職員定期健診受検者のうち、余剰検体使用に対し文書による包括同意が得られた者から、癌の既往が無い者をランダムに選出する。

4. 研究対象項目

 職員健診において実施された血液検査の余剰検体を用いて、血中circRNAやmiRNAの発現量を測定する。受検者の属性としては、年齢、性別、併存疾患、既往歴のみを情報として利用する。

5. 研究実施場所

 個人情報が削除され、研究特有の新規コード(症例No)を割り付けられた残余検体の解析が、下記施設において行われる。
大阪大学大学院医学系研究科 消化器外科学
大阪大学医学部附属病院 消化器外科
(既存試料・情報を提供するのみ)
大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センター 保健管理部門

6. 問い合わせ先

 本研究の詳細情報の提供を希望される方、あるいは本研究の研究対象からの除外を希望される方は、下記までご連絡下さい。

本研究の事務局
大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センター 保健管理部門
長友泉 大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センター保健管理部門 教授
E-mail: iznagatomo[あっと]hacc.osaka-u.ac.jp ※[あっと]は@に変えてください。