(1) 目的及び意義
目的:抗体パネルにより腫瘍関連抗原等に対する抗体産生を明らかにし、個々の抗腫瘍免疫能を評価すること。
意義:本研究により健康人における抗原特異的な腫瘍関連抗原や老化に関する抗原に対する免疫応答が明らかになれば、免疫監視機構についての理解が深まる。悪性腫瘍患者において治療前の抗体産生が治療予後と相関すれば予後因子となり得る。
背景:抗体はBリンパ球が分化した形質細胞が産生する分泌タンパクで、IgM, IgG, IgA, IgE, IgDの5つのアイソタイプが存在する。抗体は少量の末梢血検体で測定可能であるため非侵襲的検査として頻用され、免疫不全の指標や感染症の診断において有用である。近年、悪性腫瘍における役割も知られつつあり、腫瘍関連抗原エピトープに対する抗体が健康人および悪性腫瘍患者の抗腫瘍免疫能評価に有用である可能性が示唆されているが、解明されていない点も多く、更なる研究が必要とされる分野である。
(2)研究代表者・所属・身分
長友 泉 大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センター 保健管理部門 ・ 教授
(3)研究対象者
大阪大学の職員定期健診受検者のうち、余剰検体使用に対し文書による包括同意が得られた者から、ある程度の時期を定めてランダムに選出する。何らかの悪性腫瘍を発症している者を数十例、発症していない者を数百例と想定している。
(4)研究対象項目
職員健診において実施された血液検査の余剰検体を用いて、腫瘍関連抗原等に対する抗体を、抗体パネルにより測定する。年齢・性別・既往歴等の問診データを併せて解析する
(5)研究実施場所
個人情報が削除され、研究特有の新規コード(症例No)を割り付けられた残余検体の解析、及び、問診データを併せた解析が、下記施設において行われる。
大阪大学大学院医学系研究科生体病態情報科学講座
大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センター保健管理部門
(6)問い合わせ先
本研究の詳細情報の提供を希望される方、あるいは本研究の研究対象からの除外を希望される方は、下記までご連絡下さい。
<本研究の事務局>
大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センター 保健管理部門
長友 泉 大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センター 保健管理部門 教授
E-mail: iznagatomo[あっと]hacc.osaka-u.ac.jp ※[あっと]は@に変えてください。